4. いくらかのデポジットを置く交渉
  いくらかのデポジットを置く交渉をするが、ウィ氏は頑固にうけとらない。物価の高騰、賃金の上昇も著しく、布ができあがる1年後、ルピア建てでは大損する可能性もあるし、デポジットをもらうことで、期限を切られるのがいやらしい。
 ということで、1年かそれ以上気長にできあがりを待つことにしよう。大金を払ってつくっていただくという感じもあるが、それだけの価値はあるものだし、これから、なおさら手に入りにくくなりそうだし。というのも、当主はそんなに若いというわけでもなく、息子も娘も続ける意思はあるものの道は遠く、また工房を支えてきた職人は高齢化し、あるいは引きぬきなどもあるそうで、10年後工房があるのかどうか危ぶまれるからだ。
さて、ウィ夫妻と再会を約して、つぎは隠し玉、プカロンガンへの帰り道にある草木染バティック工房に寄ることにする。
ここは、日本のある県の業者とすでに取り引きがあって、いい値段で売っているらしく、他の日本人には売るなと釘をさされているという。が、東京とその地方とはうんと離れていると説明すると、それならノープロブレムと売ってくれることになる。いいのかな。
出してくれたバティックは、草木染ゆえ染めむらのあるものも多く、でき不出来の差が激しいが、いいものは、ウィ工房のものなどを除けば、他のバティックとは比較にならないくらいすばらしい。素材は絹が中心だが、綿布、パイナップル繊維のものなどもあり、手触りが違って楽しい。染めは、ソガ系の茶色が大部分だが、天然藍なども単独で、あるいはソガ染めと合わせてつかっている。モチーフのレイアウトなどデザイン感覚も鋭く、どうしてこんなド田舎にこんなモダンな感覚のものがとびっくりさせられるほどのものがある。
化学染料による染めと違って、草木染めは、その数倍の手間が掛かるので値段は高いが、円の実力で、いいものは全部買い占めて次はジョグジャへ。
 
バティックを買いに行く(3) クドゥンウニ編

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