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いくつか見せてもらったサロンやパンジャンなどは、注文しても取りに来ないものとか、完品でなくひきとってもらえなかったものなどではないか。というのも、1枚1枚光に透かしてチェックしていくと、ロウの置き間違いで色が違っているとか、すれた穴とかがあって、日本標準では、ちょっと問題のある布に思えるからだ。インドネシア標準ではその程度のことは気にしないようで、多少ディスカウントして売ってくれることになる。見せてもらったもの全部、とはいってもサロン2枚と額装用のもの10数枚を買い占める。
値段は他の工房のものと比べれば高い。「うちのバティックはその辺の住人は買えないんです、ジャカルタなどの金持ちとか政府高官ぐらいかしら」などとおばさんが誇らしげにいう。が、円の実力はほんとうにありがたい。サロン1枚手に入れるのに、万札何枚かで足りてしまう。
幸運にもいくつかのバティックが手に入ったので、本来の目的であるオリジナルバティックを頼むことにする。まず、サロンを何枚か。屏風も作りたいが、そんな変形サイズのものができるかな。
おばさんがサンプル帳を持ってくる。まず様式。普通のサロンにもできるが、真中で模様の天地を逆にし、その2つのパートをそれぞれ違ったモチーフで描くパギソレ様式(朝夕様式。腰に巻くとき巻きはじめを変えることによって、表に出る部分が異なるので2通りの使い方ができる)にもできる。面白いのでパギソレにして、大きな花束を4ついれることにしよう。イセンといわれる地模様は、ウィスーチュンオリジナルの細かな唐草模様。花の蜜を吸いにきたアゲハチョウと小鳥も飛ばそう。スカイブルーの地にピンクの花。典型的なブケット模様(花束模様)のサロンだ。
屏風はジミにサウォト模様(中部ジャワ様式の模様)で決める。ソガ系(茶色)の地に地模様は唐草、スメンラマといわれるモチーフにする。なんのことはない、以前屏風用のバティックの注文も受けたことがあるそうだ。
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