2. ソファーに腰をおろして、ひとしきりよもやま話
 

ソファーに腰をおろして、ひとしきりよもやま話をして雰囲気が少し和んだところで、「今回はどんなものを」とおばさんが切り出す。注文生産と聞いていたが、とにかくすぐに何か手に入れたい。だめもとで、今何か手元にありますかと控えめに尋ねると、おばさんが奥に声をかけてくれる。現れたのは、中国系の顔をした初老の男性。あるある。腕に何枚かのバティックを抱えている。この男性が二代目ウィスーチュン氏と紹介される。

壁にビニールテープを横に長く渡して、そこにバティックを洗濯バサミではさんでつるしていくので、思わずおいおいと言ってしまいそうになるが、次第に広げられていくバティックは華麗の一言。布には、イセンと呼ばれる細かな地模様の上にボタンに似た、あるいはユリに似た大輪の花が描かれている。同じ色ながら、花の中心に近い部分は濃く、周りの部分は薄く描かれているが、離れて見る
と2つに分かれているようには見えず、連続しているかのように、グラデーション効果を生み出している。小鳥もアゲハチョウも飛んでいる。
30センチ四方程の紺地のものもある。額装用だろうか。鶴が描かれたもの、花と小鳥のもの、花だけのものなど、シンプルで、なにか日本画に近い雰囲気が漂う。
注文生産ではあるが、小さな額装用のものは、サロンやパンジャンは高すぎて買えないお客さんに提供するために用意しておくこともあるとのこと。でもタイミングが悪いと、業者が来て全部買い占められてしまっている

 
バティックを買いに行く(3) クドゥンウニ編

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