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ジャワ島北海岸のバティックに描かれた獅子模様
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バティックには、動物文様が数多く見られる。 牛や馬、にわとりなどとともに、インドネシアにはいないだろうと思われる象やらくだモチーフも多い。 なかでも興味深いのは、想像上の動物が描かれていること。 ヴィシュヌの乗り物といわれるガルーダ文様は中部ジャワ系バティックには極めてポピュラーなモチーフであり、また、獅子、鳳凰、麒麟といった中国に起源をもつ文様も、北海岸のバティックにはしばしば登場する。
写真1は、中国の祭壇布などによく見られる獅子文様。 Singa シンガと呼ばれる。 ラスムのアンティークのカインに使われていた文様を、スタジオパチェで額装用の布に作りかえてもらったもの。 写真2が全体像で、右側には麒麟(たぶん)がいる。 写真3、写真4は、写真1の獅子とはちょっと違うがやはり獅子文様。 いまでもジャワ島北海岸の中国系で使われている祭壇布に描かれたもの。
以上2つの布に描かれた獅子は、日本の獅子舞の獅子や、狛犬に似て、身近に感じられる。 まさに「唐獅子」というイメージで、中国の影響が強くでている。
一方、バティックに描かれた獅子模様には、もうひとつの流れがある。 写真5のタペストリーに描かれた動物は、顔、たてがみ、尻尾、胴、個々のパーツでも全体でもよりライオンに近いように思われる。 この動物はSinga Barong シンガバロンと呼ばれ、チレボン独特の文様。 Singa もBarongも獅子を意味するインドネシア語だから、文字通りインドネシアの獅子という意味か。 いままで見たシンガバロンはどれもがベロ出しで、けっこうかわいい。
このシンガバロンの由来はよく分からない。 唐獅子系獅子文様が、ライオン起源のモチーフがシルクロードをたどって中国にわたり、唐獅子としてデビューし、さらにインドネシアの中国系の人々に伝わったと考えれば、これはわかりやすい。
地理的条件などを考え合わせると、インドライオンが起源なのかなと思ったりもする。
さらにもうひとつ。 チレボン特有のバティックには、写真6の怪物がしばしば登場する。 これは、かってチレボンを支配したカプスハン王家の台車に乗った怪物で、象の頭、鷹の翼、龍の足を持つ想像上の動物(龍の頭、象の鼻、ボーラックの羽あるいは獅子の体に羽と象の鼻という説もある)で、こいつをSinga Barong(獅子)とよぶという説も少なからずあって、ややこしい。
どうみても獅子には見えないが、いちおう仲間にはいれておくとする。
チレボン近くのインドラマユにも、獅子文様があるが、これは唐獅子系をさらにデフォルメしたものなのか。 シンガパユンとよぶこともある(写真7)。 このタイプのバティックの手は粗く、太い線で大胆に文様を描いているが、実に面白い。 |
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↑●写真1
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↑●写真2
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↑●写真3
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↑●写真4
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↑●写真5
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↑●写真6
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↑●写真7
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↑●写真8
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↑●写真9
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↑●写真10
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↑●写真11
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●たびうさぎの手持ちバティック 獅子模様●
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